小児科

PEDIATRICS

COUGH
RUNNY NOSE

咳や鼻水

かぜ(上気道感染症)

「かぜ」は、鼻・のどの
ウイルス感染がほとんどです。

日本の小児の呼吸器感染症ガイドラインでも、基本は “自然に良くなるのを安全に支えるケア” が大切、とされています。

治療の基本

  • 熱でつらい/痛い ときは、年齢や体重に合った 解熱鎮痛薬 を使うことがあります
  • 咳止め・総合かぜ薬(市販薬)は効果がはっきりしないことが多く、特に小さいお子さんでは副作用の心配もあるため、4歳未満は避けたほうがよいという報告もあります

予防で大事なこと

  • いちばん効果的なのは 手洗い
  • 咳エチケット、換気、タオルの共用を避ける

細気管支炎と肺炎

どちらも「咳が出る」「息が苦しそう」に見えることがありますが、
原因や治療が少し違います。

細気管支炎とは?

乳幼児に多い、主にウイルス(特にRSウイルスなど)による気道の炎症です。
鼻水や咳が続き、ゼーゼーしたり、息が速くなったりします。

治療の基本

  • 呼吸が苦しいときは 酸素
  • 水分補給(飲めなければ点滴や経管)
  • 鼻水が多いときは 吸引 など

肺 炎

肺の中で炎症が起きる病気で、細菌が原因のことも、ウイルスが原因のこともあります。
「熱が続く」「咳が強い」「呼吸がしんどい」などで疑います。

治療の基本

  • 細菌性が疑われる肺炎では、抗菌薬が必要になることがあります
  • マイコプラズマが疑われる年齢・経過では、別のタイプの抗菌薬を選ぶことがあります

喘 息

喘息は、空気の通り道が敏感に
なって、
ゼーゼー(喘鳴)や咳、
息苦しさをくり返す病気です。

大切なのは「ただの風邪の咳」と区別して、発作を起こさないように予防しながらコントロールすることです。

治療の基本

発作のときに使う薬(発作止め)

ゼーゼー・息苦しさが出たときに使う気管支を広げる吸入
→ まずはこれで呼吸を楽にします。

定期的に使って予防する薬

基本の中心は 吸入ステロイド です
→ 発作を起こしにくくする「土台の薬」です。
 予防の薬で落ち着かせることが、長期的に一番大切です。

百日咳

百日咳は、百日咳菌という
細菌が原因です。

赤ちゃんは重症化しやすく、学童期や大人でもかかります。はじめは風邪に似ていますが、だんだん 咳の質が変わるのが特徴です。

治療の基本

百日咳の治療は、抗生物質が中心です。

マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシンなど)

うつさないために

  • 百日咳は咳でうつりやすいので、手洗い、咳エチケット、マスク、タオルなどの共用を避けることが大切です。

クループ

クループは、主に 生後6か月〜3歳ごろの子に多い「かぜの一種」で、
のどが腫れて 息の通り道が狭くなる病気です。

夜に悪化しやすく、特徴的な “犬が吠えるような咳” が出ます。

治療の基本

クループは、のどの腫れを早く引かせる治療が中心です。

ステロイドの内服やアドレナリンの吸入

MOUTH
THROAT

口の中や喉の症状

急性扁桃炎

急性扁桃炎は、のどの奥にある
「扁桃」が急に炎症を起こす病気です。

原因は ウイルスのこともあれば、細菌(溶連菌など)のこともあります。

検査はするの?

  • 診察でのどを見て、症状を確認します。溶連菌が疑わしい場合は、のどの検査を行うことがあります。

治療の基本

ウイルスが原因のとき

基本は 対症療法 です

溶連菌が確認されたとき

抗菌薬が必要になります

予防で大事なこと

  • うつる病気なので、基本は 手洗い・うがい、タオルやコップの共用を避ける ことが望ましいです

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱は、主に
アデノウイルスによる感染症で、
乳幼児〜小学生くらいに多くみられます。

のどの痛み+目の症状+発熱がセットで出やすいのが特徴です。多くは時間とともに自然に回復します。

治療の基本

熱や痛みがつらいとき

解熱鎮痛薬(例:アセトアミノフェン)を使うことがあります

目のケアと
「うつりやすさ」について

  • アデノウイルスはとても感染力が強いことで有名です。
  • 目の症状があるときは特に、「タオル・枕・洗面用具の共用を避ける」「こまめな手洗い」が大切です。

手足口病とヘルパンギーナ

どちらも、夏に流行しやすい
「かぜの仲間」で、
エンテロウイルスが原因です。

どう違うの?
(見た目ポイント)

手足口病

・手のひら・足のうらに赤い発疹や小さな水ぶくれ
・口の中にも発疹(口内炎のように痛い)
・おしり・ひざ・ひじ・外陰部に出ることもあります

ヘルパンギーナ

・急な高熱が出やすい
・のどちんこ周りに小さな水ぶくれや口内炎

治療の基本

つらい発熱や痛み

解熱鎮痛薬(例:アセトアミノフェン)

飲みやすい工夫

冷たい水、麦茶、冷ましたスープ、ゼリー、アイスなど

STOMACH
INTESTINES

お腹の症状

胃腸炎

ノロウイルス・ロタウイルスが
胃腸炎の原因で一番多いです。

いちばん大切なのは 「脱水を防ぐこと」と、「家族内・園内に広げないこと」です。

どんな症状?

  • 嘔吐、下痢、腹痛、発熱
  • 感染力がとても強いため、少量のウイルスでもうつります
  • 冬に流行しやすく、集団生活の場で広がりやすいです

治療の基本

  • 特効薬はなく、水分を補う治療が中心です
  • 飲めない/脱水が強い場合は 点滴が必要になることがあります
  • 抗生物質や抗ウイルス薬は基本的に使いません

便 秘

子どもの便秘はとてもよくある症状で、
多くは 病気が原因ではない「機能性便秘」 です。

「毎日出ない」だけが便秘ではありません。次のようなものも便秘に含まれます。

どんな症状?

  • うんちが 硬くて痛い
  • 出したくても なかなか出ない
  • お腹が痛い/食欲が落ちる
  • 便が漏れる(パンツに少し付く)

治療の基本

  • 便秘は「硬いうんち→痛い→我慢→さらに硬くなる」の悪循環になりやすいので、
    まず硬さをやわらげて、毎日気持ちよく出せる状態を続けることが大切です。
  • 便秘は良くなったように見えても再発しやすいので、数か月以上かけて整えるのが一般的です。
  • よく使うのは、便をやわらかくするタイプの下剤です。
    ・PEG製剤(年齢・状況により)
    ・マグネシウム製剤
    ・乳果糖 など

SKIN
SYMPTOMS

皮膚の症状

あせも

あせもは、汗を出す管(汗の通り道)
が詰まって、
皮ふに小さなブツブツや
赤みが出る状態です。

暑い時期や、むれて汗をかきやすい環境で起こりやすく、赤ちゃんではよく見られます。

治療の基本

軽いあせもは、次のケアで自然に良くなることが多いです。

  • 涼しくして、通気をよくする
  • やさしく洗って、清潔に
  • おむつはこまめに交換

お薬が必要になるのは
どんなとき?

「かゆみが強くて掻いてしまう」「赤みが強く、ヒリヒリする」

このようなときは、短期間だけ弱いステロイドなどを使うことがあります。

乳児脂漏性湿疹

乳児脂漏性湿疹は赤ちゃんに多い
皮ふトラブルで、
頭皮や顔(眉・耳のまわり)、
体に黄色〜白っぽいベタベタした
フケと赤みが出ます。

多くは赤ちゃんの体調は元気で、かゆみも強くないことが多く、自然に良くなっていく病気です。

治療の基本

まず「やわらかくしてから、やさしく落とす」

頭皮のかさぶたが気になるときは
1.入浴の少し前に、ワセリンやベビーオイルを薄く塗る
2.しばらく置いて(数十分〜数時間)ふやかす
3.入浴時に、ぬるま湯+ベビー用シャンプーでやさしく洗う

洗った後は保湿

乾燥や刺激を減らすために、ワセリンなどで保湿します。

お薬が必要になるのは
どんなとき?

赤みが強い/広がる/じゅくじゅくするとき

このようなときは、短期間だけお薬を使うことがあります。

おむつかぶれ

おむつかぶれは、尿や便の刺激、
こすれ、むれで、
おむつが当たる部分の皮ふが
赤くただれる状態です。

乳児ではとてもよくあるトラブルで、ほとんどはケアで数日〜1週間ほどで改善します。

まずやるケア

おむつ交換をこまめに
やさしく洗う(こすらない)
バリア(保護)を作る

ワセリンや亜鉛華軟膏などを、赤いところに「白く残るくらい」しっかり塗る

お薬が必要になるのはどんなとき?

「赤みが強くて境目がはっきり」「周りに小さな赤いポツポツが広がる」
「じゅくじゅく、黄色いかさぶた、膿っぽい」

抗菌薬や抗真菌薬の塗り薬を使うことがあります。

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひは、皮ふにばい菌がついて
起こる感染症です。

じゅくじゅくした水ぶくれや、破れてできる黄色っぽいかさぶたが特徴で、かゆくて掻くとどんどん広がります。
夏や汗をかく時期、虫刺され・あせも・湿疹がきっかけで起こりやすいです。

治療の基本

軽い/範囲が小さい場合

塗り薬の抗生物質を使います(医師の指示どおり、だいたい数日〜5日程度)

広く広がっている/熱がある/塗り薬が難しい場合

飲み薬の抗菌薬が必要になることがあります

水いぼ

水いぼは、子どもによくみられる
皮ふのウイルス感染です。

小さくてツヤのあるポツポツができ、真ん中が少しくぼんで見えることがあります。
多くの場合、重い病気ではなく、自然に治っていくことが多いです。

治療の基本

基本は「様子を見る」が第一選択です。

免疫が正常なお子さんでは、数か月〜1年くらいで自然に減って消えることがよくあります。
取る治療を行う場合、ピンセットや専用の器具で取っていきます。

手足口病

手足口病は、主に夏に
流行しやすいウイルス感染症です。

発熱とともに、口の中・手のひら・足のうらなどに発疹(水ぶくれ)が出ます。多くは1週間前後で自然に良くなります。

治療の基本

ウイルスが原因なので、基本は対症療法です。

熱や痛みがつらいときには、解熱鎮痛薬(例:アセトアミノフェン)を使うことがあります。

予防について

  • 手洗い(特にトイレのあと・おむつ替えのあと・食事の前)、タオルやコップの共用を避ける、
    おもちゃや手すりなど、よく触る場所の拭き取り、などが効果的です。

水疱瘡

水ぼうそうは、発熱とともに、
赤い発疹→小さな水ぶくれ→かさぶたへと
形が変わる発疹が、
体に次々と出てくる感染症です。

強いかゆみを伴うことがあります。

治療の基本

基本は対症療法です

・熱がつらいとき:解熱剤(多くはアセトアミノフェン)
・かゆみ対策:保湿剤、かゆみ止めの内服

OTHERS

その他の症状

おたふくかぜ

おたふくかぜは、
ウイルスによる感染症です。

ほほの下(耳の前〜あごのあたり)が腫れるのが特徴で、発熱やだるさを伴うことがあります。多くは自然に回復します。

治療の基本

対症療法が中心です。

登園・登校の目安

  • 感染を広げないために、一般的に発症後5日間は登園・登校を控えることがすすめられます。
  • 加えて、熱が下がって元気に過ごせることも目安になります
    (園・学校のルールがあればそれに従ってください)。

熱性けいれん

熱性けいれんは、
発熱中(または熱が上がる途中)に
起こるけいれんで、
主に 生後6か月〜5歳の子どもに
見られます。

多くの場合は一時的で、その後の経過は良好です。

けいれんが起きたときの対応

まず安全確保

・あわてず横向きに寝かせる(吐いたものが詰まらないように)
・口の中に 指や物を入れない(舌を噛むのを止められませんし危険です)
・周りの危ない物をどける
・スマホでOKなので、何分続いたかを確認してください。できれば 動画を短く撮れると、診断の助けになります。

治療の基本

けいれんが 5分以上続く場合

けいれんを止める薬(ベンゾジアゼピン)を使います
※多くの熱性けいれんは自然に止まるため、単純型では特別な治療が不要なことが多いです。

予防について

  • 再発の可能性が高い場合や、ご家族の不安がとても強い場合に限って、医師の判断で発熱時に短期間だけ坐薬(ジアゼパム)を使うことがあります。

結膜炎(目の充血・目やに)

結膜炎は「目の表面(結膜)」に
炎症が起きて、
目が赤い/目やにが出る/
まぶたが腫れる/かゆい
などの症状が出る状態です。

原因は大きく ①ウイルス ②細菌 ③アレルギー の3つが多く、原因で対応が変わります

予防で大事なこと

ウイルス性・細菌性はうつります。手洗いとタオル別が重要です。

登園・登校の目安は園・学校のルールで違いますが、一般には元気で、強い目やに(膿っぽいもの)が落ち着いていることが一つの目安です。迷う場合は、園の方針に合わせて相談してください。

COMMON CAUSES
OF FEVER

「熱だけ」のときに多い原因

いちばん多いのは
「かぜ」です

全年齢で最も多く、自然に良くなることがほとんどです。
熱だけに見えても、あとから 鼻水・咳・のどの痛みが出てきて「やっぱり風邪だった」と分かることもよくあります。

乳幼児で大事:尿路感染症

乳幼児(とくに3歳未満)では、熱だけの原因として尿路感染症(膀胱炎など)が比較的よくあります。

乳幼児に多い:突発性発疹

生後6か月〜2歳ごろに多い病気で、典型的には「熱だけが3〜5日続き、その後、熱が下がってから発疹が出る」という流れになり、発疹が出るまで「原因がはっきりしない熱」に見えやすいので、経過で分かってくることがあります。

もう一つ注意:川崎病

川崎病は、最初は「熱だけ」で始まり、あとから症状がそろってくることがあります。
特に 生後6か月未満では症状がはっきりせず、見分けが難しいことがあります。
原因がはっきりしない熱が長引く場合は、川崎病なども含めて評価が必要になります

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